移動用品

How to 6m IDO

一昔前に執筆したものですが、基本的な考え方は今でも変わりません。

How To 6m IDO 2003 JR4EUD著 
 【改訂第5版2003年3月1日 一部改変2017年4月1日】
 
【はじめに】

数年前に初版を発行しましたが、それからかなりの年月が過ぎました。今回、2003年の新シーズンを前にして最新版の発行となりました。この著は、6mの移動運用を楽しく奥深く、いかに多くの局とQSOを楽しんで頂くためのHow Toです。これを読んで実践して頂ければ、移動運用だけで年間数千局は軽く大丈夫です。

移動運用には、さまざまな楽しみ方がありますが、その中でも一番が「呼ばれる楽しさ」があります。これが移動運用の醍醐味です。これが病みつきになるともう離れることは出来ません。

今から6mの移動運用を初められる方、6mの移動運用とはどんなところか、など、また、こんな事を考えながら移動運用している局もいるんだなと、この「How To 6m IDO2003」で少しでも感じて頂けたら幸いです。なお、記載してある内容は、遠距離移動運用の盛んな4エリアでの移動運用を示したものですから、他エリアの方、特に小さな設備で沢山出来る大都市近郊の局は参考として読んで下さるようお願いします。
現在のところ、web版のみの発刊で、追加執筆を随時行い、改訂版という形での提供の予定です。


【6mの現状】

近年、6mの人口もアマチュア無線人口の伸び悩みと同じで、局数が一向に増えません。これは、繁盛に移動する立場から言えば山で競合する恐れがないことや、混信の回避など良いことではありますが、やはり、何事にも活気がなくては楽しくありません。無線は本来一人でする趣味です。しかし、相手がいなくてはどうしようもありません。人が少ないと多い方に流される傾向が何にでもあり、6mも人がいなくなれば、6mの伝統は失われ、無線はみな一緒になってしまう恐れがあります。

今、若い人の無線離れが深刻なようです。インターネットやさまざまなメディアがありますから、情報交換やコミュニケーションの場は多く、「無線って何?」という人も多いようです。子供の頃、CQ誌の立ち読みで始めた雑誌も薄くなり、モービルハムも廃刊し、ますます、無線離れに拍車が掛かろうとしています。
気軽に初めて手軽に普通の無線の醍醐味を味わえる6mは、若い人を育てられる場所だと思っています。

近年、3エリアの6m人口が激減しています。バブル崩壊による無線道楽への影響がとても著しい様です。崩壊以前は、必ずといっていいほど3エリアの移動局が、ガンガンにバリバリやってたものですが、今はありません。一日のQSO数を見ても、3エリアは2エリアよりはるかに少ない状態に陥ってます。人口の多い都市ほど深刻なようです。無線機を売って当面の生活費に充てるなどはとても寂しい限りです。

【6mはどんなところか】

6mはとても純粋なバンドです。変な言葉の言い回しや、俗に言う2mなどで行われているマイクコントロール、センター局、お助けQSOなどは一切はありません。普通につながり普通に終わり、独自の力でQSOが出来るバンドです。また、大電力も一切必要ありません。移動では10Wでも十分で、50Wも必要ありません。Eスポであれば数十ミリワットでも楽に北海道などとQSOできます。アンテナもエレメントが少ないので、自作しやすくそれほどシビアな調整も必要ありません。

6mは、夏になるとEスポが出て、北海道や沖縄、さらには無尽蔵の大都市圏の1エリアと交信が出来、ビギナーでもラクに楽しめます。しかし冬はまったく聞こえなくなる。こんなところが6mの第一印象でしょうか。私もその印象を始めたとき感じた一人でした。当時はハンディトランシーバー運用でしたのでEスポでしか北海道や沖縄とQSO出来なかったのです。局が少ないためローカルラグチューが殆どないのです。当時は2mFMがラグチューの主流になり始めた時で、6mはもっぱら異常伝搬狙いのバンドとなっていたようでした。雑誌の無線機広告にはそれらをうたい文句にしたものが多かったようです。異常伝搬については後述しますが、これが結構おもしろいのです。毎日ではありませんが、年中といってもいいくらいこれが楽しく入ります。

QSOの範囲としては、前述の様々な地点とQSO出きます。VUHFの中でもWACAやWAGA取得なども決して挫折することはありません。早い人で1シーズンで完成します。また、気長にやればなんとかなります。

【移動運用とは】

移動運用とは免許された常置場所以外からのQSOを言います。車でも、歩いていても、山などでのQSOもそれにあたります。これにはすべてコールサインの最後に「/4」(ポータブルフォー)が付きます。よくストロークフォーとかバイフォーも使われますが、一般的に前者の方が移動とわかりやすいのでよく使われます。

厳密な移動運用の定義は、前項にあたりますが、通常、移動運用とは、建物などの居住出来る設備のないところでの運用が一般的です。よく山に小屋を建てられ、俗に言う別宅シャックですが、ごく普通に生活が出来る様なところでは、本当の意味での移動運用とは言いません。移動運用とは、そういった設備のないところで仮設的なアンテナを組み運用する。これが移動運用なのです。山に常設のタワーとアンテナだけがある場合もこれの定義は微妙ですが、厳密な意味での「/4」ではないと私は思います。



【移動運用の場所】

標高が高ければ高いほど電波がよく飛びます。しかし、回りに囲まれた山があると少し考えないといけません。移動運用の出来る山は限られています。よって他の無線局と競合という場面もしばしばあります。山は早いもの勝ちといっても過言ではありませんが、クラブ所有の山、場所とかありますので、トラブルのないようしなければなりません。また、競合した場合に混信が発生する場合があります。比較的他のバンドの方は出力が数百ワットと異常に大きいのが特徴です。よって8割方は混信が発生するといっても過言ではありません。特に蚊の鳴くような信号をとらえる際には、抑圧でまったく聞こえなくなります。出来れば競合はさけた方がいいでしょう。しかし、いつの間にか隣にアンテナが・・という場合があります。よほど混信がひどいなら精神的に悪いのでやめて帰りましょう。144MHzはもとより430MHzでもよく被りますし、7MHzでも被った事があります。
この被りは、受信だけではありません。前述したようにパワーが大きいので6mの無線機に直接回りこむことがあります。つまり、自分の6mのCQの電波に隣でやっている局のCQが乗るのです。これは大変恐ろしいことであり、こうなってくると送信も出来ませんし、受信も完全に抑圧され何も聞こえない。これもすぐさま下山ということになります。この形での下山ですが、年に数回あります。他のバンドは高出力は当たり前のようですので、特に注意が必要です。大出力でしか運用出来なくなっているバンドは淘汰されるべきだと考えています。

また、ニューカマーの方で、嘘のように隣で6mのアンテナを上げて運用をされる方がいます。混信というものが何かを知らないので、こちらが連続CQを出しだすと、「もうちょっとどうにかなりませんか?」とか言って来られたことがあります。最初は、こちらが悪いことをしているごとく言われましたが、延々と説明をしてようやくわかって頂けた情けないこともあります。山あり谷ありですね。

【移動運用の時期】

移動運用はHFあたりでは年中可能ですが、屋外での運用ですから寒い冬は移動局は激減します。6mはシーズンとオフシーズンががはっきりしています。移動運用は温かくなった週末によく行われますが、平日でも夜間でも移動は出来ますし、シーズンになればいつでもOKというのいうのが6m移動運用の醍醐味でしょうか。平日夜間の移動運用もよく行われています。

年間を通してみますと、1月のQSOパーティーがお正月休みで声が聞こえ、4月頃の春先からぼちぼち移動局が聞こえはじめ、5、6月でほぼ移動運用が定例化され、7、8月でピークになり、その後徐々に減ってきます。これは、温かいと移動運用がしやすいということもありますが、電波伝搬の状態がよくなってくることにあります。特に6月はEスポが一番よく出るときでもあります。8月は海山の季節ですが、山の上でも結構暑いですから、昼間は熱波をいかに我慢するかでしょうか。


【移動運用の時間】

時間的には朝から昼頃までというのが一般的です。6mの場合は朝方のグランドウェーブに特筆するものがあり、8時くらいがピークで1、2エリア方面がとてもよく入感します。これは等価地球半径の変動による見通し範囲の変化により起こるのだと考えられています。その後、グランドウェーブも若干落ち、近距離がよく聞こえます。また、シーズンになれば、夜も明けない早朝から、すでに7エリアのビーコンが必ず聞こえます。さらに、朝からEスポということも多く、なにも聞こえなくても8エリアのビーコンはいつも聞こえている事が多いです。

日曜日の早朝から運用される局も多く、特に4エリアあたりは早起きが多いですが、3エリアに以東に至ってはあまり早くはない様です。
また、土日連続で運用される局も多く、夜中まであるいは夜も明け切らぬ早朝からフルに運用する局も多いようです。


【6mの詳細な伝搬】

[ グランドウェーブ ]

6mSSBは、VUHFの中では一番変化に富んだ伝搬を体験することが出来ます。時期、時間、場所も大きく作用しますが、通常良く使われるのが、グランドウェーブです。これも信号強度に大きく差があります。主に大気の屈折が原因で思いのほかよく伸びることがあるのが6mです。この屈折については空気密度などの要因が影響し電波を伸ばしてくれます。
近距離では、大変信号も強く交信もしやすいのが特徴です。しかし、遠距離になると信号は弱く根気が必要になる場合が多いです。移動運用の醍醐味はこのグランドウェーブにあるといっても過言ではありません。毎年3月から移動を開始していますが、移動する度ごとに交信距離が伸びます。これは、Eスポシーズンになっても変わらず、秋口まで楽しめます。

[ Eスポ ]

Eスポですが、梅雨時期をピークとし、5月から8月くらいまでがよく発生し、その発生時間は日中に多く、8エリアは早朝からよく聞こえます。さらに、1エリアが開くことがあります。こうなると、バンドが完全な7MHz状態になります。人口の少ない4エリアは大変なパイルになります。すごい時にはCQを出すと「モガッ!」とかしか聞こえません。超猛パイルを浴びているのです。これは7MHzの比ではなく、何十局に一度に呼ばれているのです。

[ スキャッター ]

微弱な電波の信号で比較的近距離がたくさん入感することがあります。中距離が多いようです。アンテナの向きは南西あるいは南東が多いです。


【CQの出し方】

通常の教科書どおりのCQで問題ありません。移動運用に関わらず自局の住所(市郡)を言うのが望ましいでしょう。移動運用では、普段交信出来ない遠方の局と交信出来ますから、短く出単発的なCQを繁盛に出した方がよいでしょう。

移動運用でのCQの基本は、簡素に短く多くが基本です。通常一度の移動では、1分間に3回として、1時間で180回 6時間で1080回、12時間で2160回です。QSOしなかったと仮定した場合ですが、かなり同じ事を言うわけですから機械を利用しない手はありません。これらの機械がなかった時代は、カセットテープレコーダーをマイクの前に置いたりしてCQを出していた事もあり、ログの隅に正の字を書いて何回出したとかよくやっていたものです。最近はCQマシンも各社より発売されています。ボタンひとつでCQが絶え間なく流れ続けます。各社から数種類発売されており、接続も比較的簡単なものもあります。なお、回り込みが発生することが多いわけですが、トロイダルコアなどで処置してやるしかないでしょう。一番手っ取り早いのは、無線機と違う電源にすることです。車のバッテリーくらいのものなら1シーズンは充電しなくてOKです。

< CQの例 >
CQ CQ CQ こちらは JR4EUD/4 ジュリエットロメオフォーエコーアンクルデルタポータブルフォー 広島県広島市 受信します。

上記は、一般的なCQです。通常の暇なときはこれでいいのですが、ひとたびEスポで1エリアが聞こえるとCQは一緒ですがQSO内容も変えなければなりません。

[ 1エリアが開いたパイルでのQSO内容 ]

JR4EUD:QRZ?こちらは JR4EUD/4広島県広島市受信します。
J*1*** :JR4EUD/4 こちらは・・・・・・
JR4EUD:J*1*** こちらはJR4EUD/4。 こんにちは、59で広島県広島市に入ってます。QSLです。どうぞ。
J*1*** :JR4EUD/4 こちらは・・・・・・
JR4EUD:ありがとうございました。さようなら、QRZ。JR4EUD/4広島県広島市

[ さらにすごいパイルになった場合 ]
(何が何かわからないほど呼ばれている状態で、コールの一部がわかった場合。)
JR4EUD:QRZ?こちらは JR4EUD/4広島県広島市受信します。
****** :・・・・K・・・
JR4EUD:K、キロのつく方どうぞ。
J*1***:JR4EUD/4 こちらは・・・
JR4EUD:J*1*K* 59 QSLです。さようなら。QRZ?

相手のコールは間違い防止のために出来ればアナウンスした方がいいでしょう。
時間との戦いになりますので相手の緒元等は一切言いません。特に名前は全く不要です。ハムログに入力したいのは山々ですが、我慢しましょう。

CQについては、各局それぞれ特徴があり、最初の一部一語のフレーズだけで、だれかわかるようになると移動のエキスパートといってもいいでしょう。


【6mのワッチの仕方】

6mSSBでは伝搬によってワッチの仕方も大きく違ってきます。通常の比較的近距離のグランドウェーブのSメーター振り切れの59+の信号であればなんら問題はありません。蚊の泣くような信号の場合は、自分の耳をかなり鍛える必要があります。通常、FMからSSBに来られた場合は、6mで鍛錬した局が聞こえる音が殆ど聞こえないのが普通です。鍛錬した局とそうでない局は一耳瞭然です。

FMとSSBではまったくワッチの基本が異なります。FMはスケルチ開放で信号が出ますが、SSBは常にザーザー聞こえ、その上に信号が乗る感覚です。特に蚊の鳴くような信号は、通常、無線機の内蔵スピーカーではほとんど判読出来ません。ヘッドホンが必ず必要で、ボリュームコントロールを繁盛にしながら解読する事が必要です。また、スピーカーも無線機内蔵のものでは高音域が強調されますので、口径の大きい外部スピーカーを仕様するのがいいでしょう。この外部スピーカーにもヘッドホンをつないでも音が常時出るように改造しておくと便利です。

このように工夫しないと聞こえるものも聞こえない。イコールQSO出来るものも出来ないということになります。大げさですが、耳、つまり脳を鍛えることが重要ですね。頭の中に高性能プリアンプ、DSP内臓でしょうか。早い話が超職人技ですね。

信号強度と了解度(RS)についてですが、基本に立ち返ることが必要です。RS31、41を送るときは、言葉が抜けてわからず、何度も聞き返す様なときにのみに送ります。少し弱いからと言って内容がすべてわかるのに41や31はまったくありません。また、相手が「RS41」を送っているのにこちらの移動諸元(特に名前)をすべて言う必要はありません。特に「RS41」などの場合に、名前まで聞いて来られるのは、「RS41」の信号強度ではありません。それは「RS51」です。


【耳Sのすすめ】

耳S(みみえす)をお勧めします。かなり慣れないと正確には出せませんが、Sメーターを見る必要がまったくなくなるので大変便利です。RSについては、文字で表記されていますのでそれをよく覚えておけば、Sメーターはまったく必要ないわけですね。よくハンディ機でSメーターが付いていないからRSがよくわかりませんとか言われますが、それは間違いなのです。
ただし、トークパワー(変調の乗りが浅い)が極端に少ない局については、誤った強度としてとらえますので注意が必要です。耳Sは、プリアンプなどを入れている場合はSメーターはあまりあてにはならないのでとても有効です。

【QSO全般】

[ CQのすすめ ]

6mの交信では、RSレポート、自分の移動地、QSL交換。さらに余裕があれば名前の交換から雑談までと普通に会話をします。普通は前者だけで7MHzよりも短いのが特徴です。移動運用として山に上がっているからには出来る限り、短いQSOに越したことはありません。どこかの遠い誰かが必ず聞いています。早めに切り上げCQを続行するのが望ましいでしょう。
山で移動をしているのですから、前述のようにCQを常に出します。またCQを出さないと呼ばれません。つまり交信が出来ません。ワッチは家でも出来ますし、せっかくの移動運用ですからワッチよりもCQに専念しましょう。また、ワッチばかりしていると、ほかの局が自分のいる山に登ってくる恐れがあります。CQビーコンではありませんが、それと間違えられるほどCQが出せれば、絶対にたくさんとQSOできます。
また、6mに専念することが良い結果を生みます。他のバンドも一緒に出たいのは山々ですが、そうすると絶対に6mがおろそかになります。ほんの一瞬の浮き沈みを捕らえることも、開けることも察知出来ません。

広島では、一回移動して100局程度は交信できます。特にシーズンになってEスポが発生しますと、その倍以上。さらに、1エリア方面ののEスポが発生しますと、400~600局交信が出来ます。なお、これらは常にCQを出しての上での話です。シーズンフルに移動が出来れば5000局は軽いでしょう。

[ 周波数 ]

CQを出す周波数は、下限が50.150~上限300くらいまででしょうか。DXゾーンの140以下は使用しないほうがいいでしょう。よくても140が下限です。上は決まりはありませんが、350~400が上限のラインでしょうか。一昔前の機械には200以上が出ないものが多かったのですが、今は上限なしですので、400でCQを出しても差し支えありません。上の方がいいとか下の方がいいとか昔はすごく気にしていましたが、現在ではあまり気にしなくてもいいようです。
また、150とか160とか190とか「0」ゼロつく周波数は、ラグチューなどで誰かが出ている恐れがありますので、すこしずらした方がいいでしょう。最初にCQを出した周波数からなるべく変えない方がいいでしょう。それは、遠方のエリア局が、かすかな信号の浮き沈みを捕らえようとしているのは確実ですし、ワッチする側からすればいろんなところで、同じ局が常に変動しているとつらいものがあります。ただし、後述する混信等が発生したときは、変えなければQSO自体出来ません。240は1エリアモービルの呼び出し周波数となっていますので避けたほうがいいでしょう。


【混信等 】

山では特にシーズンになれば、混信、抑圧というのがとても気になってきます。近距離での混信はすぐにわかるのであらかじめ回避行動に移れるのでそれほど気にするものではありませんが、遠方の局と同じ周波数でCQを出しているということがよくあります。これは、コンディションがよくなってくると電波がよく飛ぶからです。対1エリア方面はたびたび発生します。しかしながら、1エリアにはこちらの電波が届かないことが多いのです。それは、1エリア方面は、人口も多く呼ばれる確立が多く、さほど遠くの電波を気にしていないという局も多いのではないかと思います。こちらがいくら呼んでも取ってもらえない事もとても多くあります。したがって、やむなく周波数をずらす事が多いですね。これは、1エリア各局の耳が悪いのではないということではないことをお忘れなく。あと他には、8エリアのCQがよく急に入ってくることがあります。こちらとしては、前の晩からCQを出し続けているのに、被ってきて1エリアを裁きだす。そうなると、8エリアからは、ここ使ってますのでお貸しくださいと言われます。ちょっと複雑な気持ちになりますが、私はいつも、「昨日からずっとCQ出してるんですがねえ。」とぼやいて周波数を変えます。8エリアからしてみれば、急に入る邪魔なCQですが、こういう思いをしている局もいるということをお忘れなく。

[ 後ろCQ ]

西にアンテナを振ってCQを出していると、東からCQが「RS59」でもろに被ってくることがあります。相手のワッチ不足も考えられますが、人口の多い3エリアなどでは東に向けてしまうと混信などで西の電波が消えることが起きますので、致し方ないことでしょう。しかし、明らかな「あとからの混信」ですのですかさず東に振り、CQを続行してみますと、しばらくすれば消えます。微妙な選択が必要になることが多いシーズンですが臨機応変に対処しましょう。

[ 抑圧 ]

抑圧についてですが、これは近隣の移動局とよく起こります。同一県内であれば最低でも20kcは離さないといけません。それは抑圧により弱い信号がみな消えてしまうためです。シーズン最盛期については、移動局の増加からやむを得ないことも多いです。Eスポコンディションに移っていればあまり気にすることはないでしょう。やはりクリーンな環境でワッチしたいものですが仕方がないでしょう。

[ 分身 ]

これは、マイクゲインの上げすぎによる不要電波の発射により発生します。ただし、適正にしていても、距離して2、30キロ圏内でも発生することもあるようです。現象としては、同じ局がいろいろな周波数で出ているというものです。あちらこちらの周波数で同じ局が面白いように聞こえます。これは、注意していても起こることがありますので、常に気にしながらまた近隣局に確認してみるといいでしょう。同一県内はもとより、近隣の3エリア、5エリアからでも発生することがよくあります。こちらの対処の方法は周波数をずらすか、相手にマイクゲインを絞って頂くように交渉するしかないでしょう。

[ 俗語 ]

近年、RSレポートの交換時に、「5と9」(ごときゅう)とかの俗語がよく使われていますが、信号強度と了解度を区切ることはなく、普通に59(ごうきゅう)で全く問題ありません。「5と9!」を使うのは勝手ですが、恥ずかしいと思っている局も入ることをお忘れなく。さらに、「いつつときゅう」も。流行の思い込みによる俗語の使用は避けなければなりません。一般によく使われるモービル俗語はあまり使わないほうがいいでしょう。
コールサインの英語読みですけれど、日本人しか通用しない言い方はやめた方がいいでしょう。たとえば、J=ジュリ「エイト」 4=フォ「アー」 などの発音が滅茶苦茶なもの、これは、一見かっこいいような気がしますけれど、なんともまあ恥ずかしいとしかいいようがありません。この表記もフォテネックスコードに準じたものがいいと思います。やはりこれはかっこわるいでしょう。ジュリエイトロメオ「よん」。その他にもたくさん上げたらきりがありませんが、「こちらのコールは」というのもおかしいですね。「こちらは」だけでいいのです。また、「マイレポート」というのも不思議ですね。あと、ゴルフナンバーとかチャーリーナンバーとか・・・。
俗語ではありませんが、最近多いのが、プリフィックスだけでガンガン呼ばれる方です。コールサインどうぞ!って言ってもプリフィックスだけが延々と送られてくる。コールサインというのは、全部を言うのではないでしょうか?。混雑しているHFならいざ知らず、空いてる6mです。異常伝播が出ておらず明らかに混んでいない時は、ちゃんと頭からコールサインをアナウンスしましょう。

[ 横着QS O]

7MHzあたりで行われているQSOで、最初に何局かコールサインだけ取っておき、そのコールをアナウンスし、順番にQSOしていく方法があります。実は効率がいいように思いますが、そうではないのです。それを6mで行うときはのEスポが広範囲に発生しているときですが、Eスポ発生範囲はめまぐるしく超高速で変化し、いつコンディションが衰退するかわかりませんし、そのコールが取れるのであれば、取れた時点で超ショートQSOに移るのが遙かに効率がいいです。この方法であれば1分間に10局は裁けます。また、その間にも指定を知らなかった局を断らないといけないので、大きな時間の無駄が発生します。普通につながり普通にQSOする事を心掛けましょう。

[芋づるQSO]

俗に言う「芋づるQSO」(相手がマイクを次々ほかの局に変える。)もお助けQSOの部類ですからやめた方がいいでしょう。6mはあくまでも一人の力でQSOするのが基本(当たり前のこと)です。しかし、これを知らない局も多いので無げに注意も出来ません。呼ばれた訳ですし、相手も楽しく運用されているのですからね。
これを行うときは、比較的信号強度も強く、マイクを次々に渡さなくとも簡単に出来ることが多いです。出来れば、CQを出している局ですから一旦QSOが終わってから声を掛けるのが最低限の礼儀でしょう。
今までの最高芋づるQSOは国内7局連続。海外7局連続でした。前者は、お子さんのグループらしく可哀想だし、後者は、言葉がわからないので断れなかったのです。

[ お助けQSO ]

VUHFの他のバンドでは当たり前のように行われている、センター局を介す「マイクコントロール・お助けQSO」(遠方のエリアとQSOする場合、その中間の局が主になって中継をするもの)ですが、中間の局は両方の電波がよく聞こえており、その内容さえも伝送され、当事者はほとんど聞こえないといっていいでしょう。かすかに聞こえた時をQSO成立とするようですが、センター局が必死になって、まるで漫才まがい「おっとおしい、もうちょい!ほれ出して!今コール出してます!とれませんかあ!・・51、51って言ってますよ!」とか、やり取りしますから、面食らってしまいます。あれで交信が成立するのであれば、何ともまあ情けないバンドとしかいいようがありません。全市全郡は夢のまた夢の様なバンドですが、QSOにも夢がいるのでしょうか。
6mの様に自分で遠方の局を探して、自力でQSOするのとは大きく違います。シーズンになると他のバンドから来られた局がたまにされているようであり、それを聞いた局が真似るということがないようにしなければいけませんね。要は聞こえないものとはQSOしないということです。また、近隣の聞こえているよく知っている局がその周波数でコールサインやQTHを教えたりするのも言語道断ですね。


【6mの設備】

[ アンテナ ]

やはり、耳がよくなければいけません。せっかくの山ですから出来うる限りのものを揃えましょう。やはり八木系でしょうか。GP系はお勧めできません。それは、八木系が多い中でGPも飛びはしますが、呼ばれていてもまったくわかりません。水平編波と垂直編波の違いが大きくわかります。移動局が多くなると、耳の悪さはとても目立ってきます。やはり、耳は重要です。
アンテナは巨大であれば、それなりに飛びますが移動運用ではかなりの体力を要します。広島県内で最大の局は13エレ。ごく一般的な設備としては6エレ程度でしょうか。比較的上げやすく撤収なども簡単です。とにかく、アンテナはブーム長がその優劣を決めます。長ければ長いほどよいに越したことはありません。よくアンテナシュミレーションソフトで優劣がはじかれますが、計算上での理論であり、運用上の理論を見直して欲しいものだと思います。計算上ではわからない電波の飛びも多くあるということです。特に山に上がっている場合の遠方とQSOについては、ブーム長の長いエレメントの多いものほど断然有利です。山では等価半径が大気屈折により大きく伸び縮みするのがよく体験できますので、特にQSBが生じている場合のQSOについては、格段の効果の差があります。つまり、地球等価半径のぎりぎり地点のQSOほど効果があるということです。これは、平地ではまったく体験出来ないものなのです。

アンテナの地上高は最低でも6m。つまり1波長は上げないといけません。車や木々の影響もありますので、理想としては2波長=12mです。アンテナに対する影響がこれより低いと電波の打ち上げ角が大きくなり、より遠くに跳びません。これは、ブーム長が延びるほど影響は顕著です。最低でもブーム長以上はあげないとダメです。私の9エレはブーム長11m。よって12m高にしています。そうしないとよい結果は生まれません。しかし、6mのアンテナ調整は結構アバウトです。430や1200の様に調整はシビアではありません。エレメントが乗っていればねじれていようが波をうっていようが問題ありません。さらに少々SWRが高くても全く問題ありません。2.0以下なら問題なしです。2.0のSWRが1.0になったからといって聞こえないものは聞こえないのです。パワーも必要ないですからまったく問題ありません。近年、縦のスタックが流行です。上下に電波を捕らえる網を大きくしたわけです。しかし、スタック間隔がどうしても短縮されますのでGWギリギリの最遠地点での効果のほどは不明です。理想としては18m高のスタックでトップに1枚さらに6m離して1枚でしょうか。移動ではちょっと無理ですね。


[ お勧め設備 ]

6エレに10m程度の伸縮ポールです。アンテナも移動用に早く上げられるように改造するのがいいでしょう。改造ポイントについては、当ホームページで詳しく紹介してありますのでそちらをご覧下さい。
このアンテナもシーズンによって最適なものがあります。シーズン始めは、6エレでグランドウェーブ狙い、さらにシーズン最盛期になれば4エレ程度でEスポ狙いというように、アンテナを使い分ける事で効率的な運用が出来ます。要は仮設時間を節約するわけです。
夏場であれば2エレで十分です。大きなアンテナを汗だくで上げても成果は殆どかわりません。Eスポですから打ち上げ角の高いアンテナが断然有利です。アンテナ仮設中に広範囲にEスポが発生したということはよくあります。ただし、ホイップアンテナでも出来ますが、その殆どが水平編波ですから、あまりつながりません。ダイポール、八木等などの水平編波となるアンテナがいいでしょう。

[ 無線機 ]

無線機については、移動運用ですから傷だらけになることは覚悟しなければなりません。持ち運ぶことが多くなりますので、特に落下には十分気をつけなければなりません。近年様々なメーカーより、HFプラス50MHzというものが出ています。しかし、電力をかなり消費するものがありますので注意が必要です。出力を1から10Wなどに可変出来るものがいいでしょう。なお、6mではパワーは必要ありません。アンテナのゲインが知れていますのでアンテナと釣り合った電力でないと飛んでいても聞こえないということになります。釣り合いの取れるのは50Wで9エレ、4エレで10W、6エレで10W~50W、2エレはEスポ対応の場合での1Wといったところでしょうか。
また、受信アンプの使用ですが、NFが重要です。雑音だけが増幅される恐れがありますので使用は注意が必要です。プリアンプの使用よりもアンテナのブーム長を伸ばした方がいいでしょう。

[ 電源 ]

電源については、自動車用バッテリーで十分です。車に搭載されているものでも構いませんが、バッテリー上がりの心配がありますし、オルタネータノイズの発生もあります。よって、別に用意した方がいいでしょう。量販店に山積みしてある2000円程度のものであれば1日は十分に大丈夫です。シールドバッテリーを使えば液の管理をしなくてもいい反面、かなり高価ですし取り扱いもすこし面倒です。発電機の使用もいいでしょう。6mでは出力150W程度の発電機で全く問題ありません。しかし、一番よく売られている500W前後のものが安く手に入りますのでそれを使用します。2サイクルと4サイクルがあり、前者は寿命が早く2~3年でマフラーがつまり使用できなくなります。また、後者はエンジンオイルの補給が必要です。
あまり大きな発電機は、無駄なエネルギーの使用になるほか、静かな山で大敵の騒音のもとになります。よく、工事用数キロワットのとても大きな発電機を山で見かけますが、何ワットの出力が必要なんでしょうか。6mではまったく信じられないことです。